つらい経験をして悲嘆にくれる人に出会ったとき、
私たちは相手を思い、ときにはともに涙したり、
手をとって「いつでもそばにいますよ」と
励ましたりします。
それは、私たちが人の苦しみに共感して、
ともに悲しむことができるという、
他の動物にはない懐しい心情をもつ人間として
生まれたからです。
その共感力といえるようなものは、
生きること、老いること、病むこと、
死を迎えることなどをとおして、
つらく悲しい気持ちをたくさん味わった人ほど、
より発揮されるのだと思います。
まして信仰をもつ人であればなおのこと、
人の苦しみや悲しみがよくわかり、
身につまされるのではないでしょうか。