お盆は盂蘭盆を略していった言葉で、盂蘭盆は
梵語の「ウランバナ」を音訳したものです。
ウランバナとは、「逆さに吊り下げられた状態」
のことで、言い換えれば、
正常な状態からひっくり返っていること、
正しい人間の道から外れた生き方
ということにもなります。
みなさんもご存じのように、盂蘭盆会の起こりは、
お釈迦様のお弟子の目連尊者が、亡くなった
お母さんが地獄で苦しみを受けていることを知り、
衆僧を供養してその苦しみを救ったことに
由来すると伝えられています。
この目連尊者のお母さんの罪は、
子煩悩ゆえの慳貪の罪だったといいます。
人が道理から脱線する原因は自己中心につきます。
地獄の餓鬼の絵をご覧になった方もおられると
思いますが、
ふくらんだおなかは飽くなき欲望を示し、
口から火を噴いている姿は互いに譲ることを
知らずにののしり合う姿とも見られます。
まるで現代社会の縮図です。
私たち一人ひとりが自らにそれを問うてこそ、
本当のお盆の供養ができるのです。