釈尊が入滅を前にして阿難にいい残された教え。
「またとない大導師であられる世尊が
なくなられたら、いったいわれわれはだれを
頼りにして修行し、生きていけばいいのだろうか」
という阿難の不安に対して、釈尊はこうお教えに
なったのです。
「阿難よ。あなた方は、ただ自らを燈明とし、
自らをよりどころとするのです。
他人をよりどころとしてはいけません。また、
法お燈明とし、法をよりどころとするのです。
他をよりどころとしてはなりません。
この教えほど、正しい宗教の神髄を短いことばの
うちにいい尽くしたものはないと思います。
あくまでも自分で立ち、自分で歩まなければ
いけないよ、とさとされたのです。
それでは、その自分は何をよりどころとして
生きればよいのか。
「法」よりほかにはない。
「真理」よりほかにはない。
まちがっても、他をよりどころにしてはならないよ
と、お教えになったのです。