「たとえ愚かな者であっても、自分を愚か
であると知っている者は賢者である。
愚か者であるのに自分は賢いと思い込み、
そのように振る舞う者がいたら、それこそ
本当の愚か者といわなくてはならない」と、
お釈迦さまは「法句経」で説かれています。
ものごとの本質を忘れて枝葉末節のことで争い、
自分の足りなさを棚に上げて小利口ぶり、
自分はいつも正しく相手が間違っていると責め
あっているのが、いまの社会ではないでしょうか。
二千五百年も前にお釈迦さまが鋭く指摘された
お言葉が、いま、私たちの胸に突きささります。
どんなに時代が変わろうと、
人の本性はなかなか変わるものではないことを、
あらためて思い知らされるのです。
その自分を変えていく唯一の道が、
自分は愚かであり、足りない者なのだ、
と自分を知ることにあります。
お釈迦さまの教えを、
よくよくかみしめなくてはなりません。
自分を利口者と思ったら、
もう進歩向上は止まってしまうのです。