善因は善果をもたらし、悪因は悪果を招くという
考え方をすべきです。
しかし、現在の世の中を見ていると、必ずしも
そのとおりになっていない場合があるように
思う人も多いかもしれません。
目の前のことだけを見ていると、
「善因を積んでも少しも善いことがなく、
悪いことをして平気で大手を振って歩いている
人がいるじゃないか」と納得できないことも
ありましょう。
たとえば政治の世界でも、何億というお金を
受け取っても収賄罪に問われることがなかったり、
清潔な選挙をした候補が落選して不正行為をした
候補が当選するといったことが
あまりにも多いのは事実です。
それで、善因善果、悪因悪果といっても、
もうひとつ説得力がないようにも思えるのですが、
五年、十年という長い年月をとおしてみると、
その因果の道理のとりになっているものです。
ですから私たちは、まず道理がきちんと
通用する健全な社会をつくる努力と同時に、
時の経過によって必ず善因は善果に、
悪因は悪果となって現れることをいつも忘れずに
毎日を送ることがなによりも大事だと思うのです。